北海道新聞 2008年7月15日(火)
みなみ風 登載記事
カズさんを忘れない
昨年他界、函館の≪素適なおばあちゃん≫
沖野さん写真展 表情いきいき63点
函館市旭同町の特別養護老人ホーム「旭ケ岡の家」に昨年十二月まで入所し、亡くなった勝木力ズさん=当時(83)の日常生活を撮影した写真の展示会「カズさんとの想い出」が同ホームで開かれている。東京都在住の人物写真家、沖野明美さん(40)が二〇〇三年一月から五年間、撮影した作品で、「たとえ病気になっても楽しく生きれることをカズさんから教わりました。そのことを多くの人に伝えたい」と話す。 (久留利愛弓)
勝木さんの次男夫婦の友人だった沖野さんは,夫婦から、散歩をしたり童謡を歌ったりするカズさんの様子を聞くうちに「すてきなおぱあちやんに直接会いたい」と思い、函館を訪れ撮り始めた。
認知症だったカズさんが自宅で介護されている時、症状が進んで同ホームで過ごしている時などに撮影した計六十三枚を展示。五年間で十回ほど函館を訪れ、時にはギターを片手に力ズさんと「上を向いて歩こう」「雪の降る街を」を歌うなど交流を重ねた。
力ズさんが大道芸人の舞台に満面の笑みを浮かべる姿、鏡に向かって紅をさすところ、車いすの上でうたた寝をしている瞬間など、何げない、それでいていきいきとした力ズさんの表情をとらえている。
力ズさんは昨年十二月二十九日に息をひきとった。沖野さんが撮影した写真は力ズさんのお葬式でも展示されたという。沖野さんは「いつしか 力ズさんが私の心の支えになっていました。力ズさんの体調が悪化する中、撮影を続けていいものか迷ったこともあった。でも息子さん夫婦や施設の方に肩を押され.最期まで撮り続けました」と話す。
展示は三十日までの午前九時〜午後六時。問い合わせば旭ケ岡の家 電話0138・50・2121へ。 |